コロナ禍の製造業への影響

製造業においてコロナウイルスの影響が顕著となって来ています。2020年から2021年に至るまでに起きた、コロナ渦に起因する製造分野の課題を眺めていくと、生産性の向上に苦労をしたり予定利益をロスしたりするケースが増えていることが伺えるものです。

緊急事態宣言の施行に伴う、輸出関連事業の低迷や、サービス業向け事業の需要減により、関連する産業において、大きな損失が見られる状態となって来ているのです。製造業を取り巻く環境だけでは無く、働く方の就業環境においても、コロナウイルスの影響が大きいことが、調査結果を見ると分かるのです。製造物を設計する担当者など、ホワイトカラーに属する人材の就業形態が、テレワークを主体にする在宅勤務に移行してしまい、生産性が減少する事業者も増え始めている状況です。オンラインを活用した就業形態による、コミュニケーション不足や、意思疎通における問題の発生が、生産性を低下させる事象を引き起こしているのです。生産物を供給する手段においても、コロナウイルスの影響が甚大となって来ています。

サプライチェーンが分断されたことにより、生産物を納品するまでに、必要以上の日数を要してしまうケースが増えていったのです。部材の供給から、完成品の納入に至るまで、多くの生産物が納入を行うまでに、多大な時間を要するように変わっています。取引が円滑に行なわれなくなったことで、売り上げを計上するタイミングが遅延してしまったり、入金が遅れてしまったりなど、経営上での大きな問題が引き起こされているのです。

生産性の向上を目指すための、設備投資に関わる部分においても、コロナウイルスの影響が色濃く出ています。非接触での製造工程を実現するために、IoTを活用した生産体制を整えることが急務となって来ているのです。取引先とのやり取りを、DXを用いて改善していくことを含め、包括的な生産体制の見直しが、コロナ渦の製造業において求められています。製造業の景気感をコロナ渦前の水準に戻していくためには、設備投資の拡充や、従業員の働く意識の改革など、様々な課題をクリアしていく必要がある状況です。落ち込んでしまった輸出関連の需要回復を待つのでは無く、国内の関連分野での、新たな事業展開を考えていくのも、製造業が利益を拡大していくためには、避けては通れない課題となっています。

コロナ渦を乗り切るためには、製造工程とサプライチェーンのICT化を行い、柔軟な生産体制の確立を目指していくことが大切です。